赤ちゃん返りは赤ちゃんに戻ったような行動のこと
すっかりお兄ちゃん、お姉ちゃんになって手がかからなくなってきたなと思っていたのに、下の子が生まれた途端、赤ちゃんのような行動をとるようになってしまった・・・そんな状態を赤ちゃん返りといいます。
下の子が産まれたばかりの頃、うちの上の子もそうなったわなんて、お母さんたちから声が聞こえてきそうです。
お母さんたちにとってはやっと少し聞き分けしてくれるようになったと思っていたのに赤ちゃん返りされるとがっかりします。
しかし赤ちゃん返りするのは理由があり、その理由を理解した上で対応策を考えることも可能です。
赤ちゃん返りはなぜ起こるのか?その理由はとても重要なこと
赤ちゃん返りはお母さんたちにとって困ったことですが、実はこの赤ちゃん返りはとても大切な行動といわれています。
やっと大きくなってきたと思ったときに起こる赤ちゃん返りですが、子どもにとって「自分は大切な存在なんだ」と理解するために必要な行動です。
赤ちゃんは食べること、飲むこと、立つこと・・・何をするにしても一人ではできません。
おしっこをすることができても、トイレに行くことができないので排泄のお世話が必要です。
何もできない状態だし、親にとっては手を焼かせる存在のはずですが、それでも赤ちゃんは大切にされます。
泣くことで欲求を主張するだけの存在なのに世話をしてもらい、かわいがってもらえる、愛情をもらえる、それを上の子は見ているのです。
今の自分はトイレに行けるし、こぼすことがあってもご飯を一人で食べることもできる、歩けるし、走れるし・・・でも赤ちゃんみたいに何もできなくなったら?赤ちゃんみたいに大切にしてくれるのかな?と考えます。
そして赤ちゃんと同じような行動をとり、それでも親が自分を見て大切にしてくれるのか、自分を肯定するために行う大切な行動なのです。
自分が親から大切にされていると思えれば安心し、納得できれば次はお兄ちゃん、お姉ちゃんとして親から褒められる行動をとってくれるようになります。
小学校に上がるまで・・甘えと自立の繰り返し
赤ちゃん返りは3歳、4歳くらいの子に多いといわれますが、実は小学校就学時前のお子さんなら誰でも起こりうる行動です。
子どもは甘えと自立を繰り返すこと、つまり自分は大切な存在なの?を確かめ、それを納得して自立するという行動を繰り返します。
2歳くらいから小学校に上がるくらいまで、子どもは「できた!」がたくさんあります。
歩けた、お絵かきができた、ご飯を上手に一人で食べられるようになった、こうした「できた」を繰り返して大きくなるのです。
この過程で子どもは何度も不安になり、そのたびに親に対して「ねえこれできないけど嫌いにならない?自分のこと大切?」と自分を肯定してほしい行動に出ます。
それが赤ちゃん返りです。
ここでしっかり親に甘えることができていればいいのですが、そのSOSをうまく出せず赤ちゃん返りや我儘をいわずに成長した子は、親から肯定された経験が少なく、成長してから不満を爆発させることもあります。
赤ちゃん返りは決して悪い事ではないのです。
赤ちゃん返りの対処法を理解しよう
赤ちゃん返りを見ていると親を困らせているように感じますが、ただただ自分にかまってほしくて行っている行動です。
お兄ちゃんでしょ?お姉ちゃんなんだからと怒らず、黙って抱きしめてあげましょう。
親としても大きくなったわが子がまた赤ちゃんのような行動をとると、しっかりしなさい!といいたくなります。
しかしそういってしまうのは逆効果で、まだまだ保育園、幼稚園の幼い子どもなのです。
出来なくても仕方なしと思えないようなら、この子は赤ちゃんと思って接するようにしてもいいでしょう。
スキンシップを増やしてやってほしいということはできる限りやってあげることです。
もしもお母さんだけで無理なら、下の子の面倒をお父さんに任せて、上の子とたくさんスキンシップをとります。
次第に安心し、自分は大切にされているとわかれば、下の子に対してお姉ちゃん、お兄ちゃん的な行動をとれるようになるでしょう。